米アカデミー賞視覚効果賞を受賞した「ゴジラ―1.0(マイナスワン)」。映画に登場した戦闘機「震電(しんでん)」の開発を手がけた会社が福岡市にある。機械メーカーとして約140年にわたり社業を発展させ、近年は「DX化」を目標に新分野にも挑戦している。
「たゞちに作業は継続 一部工場を焼いた福岡渡辺鉄工所」。1935年2月11日に発行が始まった朝日新聞西部本社夕刊の翌12日の紙面に、こんな見出しが掲載された。福岡市内で航空機の部品を作っていた工場が火事になったが、別棟ですぐに作業を続けたという内容だった。
当時の会社が、現在も福岡市博多区のJR南福岡駅近くで事業を続ける「渡辺鉄工」だ。自動車用の鉄製ホイール製造装置などが主力の機械メーカーで、来年は創業140年を迎える。
同社は時代の波にもまれながら製品を変化させて成長してきた。戦時中は兵器製造を手がけた。
戦闘機「震電」は爆撃機B2…