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 北朝鮮から「ゴミ風船」が飛来している韓国で、風船によるものとみられる火災の被害が相次いでいる。韓国軍によると、風船に取り付けられた発熱装置が原因とみられるという。

 聯合ニュースによると、15日にソウル市内の建物の屋上で火災が発生。8日には北朝鮮との軍事境界線に近い京畿道坡州(キョンギドパジュ)市の製薬会社の倉庫から火が出たが、いずれも現場でゴミ風船が発見された。けが人はなかった。

 韓国軍の合同参謀本部によると、風船には一定時間が経過した後に空中でビニール袋を焼き切って分離するためとみられるタイマー式の発熱装置が取り付けられていた。この装置が正常に作動せずに、火災が発生した可能性があるとみている。ビニール袋には主に紙くずなどが入れられているという。

 北朝鮮は5月下旬以降、これまでに約20回にわたってゴミ風船を飛ばしている。韓国軍は軍事境界線付近での拡声機を使った軍事宣伝放送で対抗。韓国メディアによると、7月末ごろからは軍事境界線付近で北朝鮮から金属の摩擦音のような騒音が響いており、南北の応酬が続いている。(ソウル=太田成美)

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