大工などの職人が集まる、町の工務店。住宅の新築やリフォームなどのイメージが強いですが、昨年からサウナの製造を始めた会社が大阪にあります。昨今のサウナブームに乗ったのかと思いきや、「よそもの」との出会いから生まれた新規事業でした。
カンサイのカイシャ ここがオモロイ!
大阪府摂津市の花岡工務店の作業場を訪れると、樽(たる)の形をした製造中のバレルサウナがあった。
高さ1.9メートル、奥行き2.1メートル。国産の木材を使い、胴体には縦10センチ、横2.1メートル、厚さ3センチの板60枚が貼り合わせてある。窓を取り付け、サウナストーブを組み込むと完成だ。花岡雅仁社長(46)は「木材の加工から組み立てまで、職人の技術が詰まっています」と胸を張る。
注文はオーダーメイドで、これまで宿泊施設用や軽トラックなどに設置する「カーサウナ」を造った。マンションの一室などに取り付けるタイプも手がけている。
費用は約200万円からだが、造り始めた昨年だけで13台を販売した。今年も問い合わせが後を絶たないという。
「サウナを造れるってすごい」
製造のきっかけは2年前、リフォームを担った住宅がサウナを取り付けたことだった。
この時は、他社の設備だったが、サウナを見た山中宜明マネジャー(43)がふと、花岡さんに漏らした。
「自分たちでサウナを造れませんか」
すると、花岡さんはすぐに「…