今回登場するのは「ビッグフット」とも呼ばれる神秘の生物サスカッチの4頭の群れ。北カリフォルニアの森の奥でカメラがとらえたのは出産、子育て、ピューマとあんなことも? そんなスクープ映像満載の「サスカッチが来た!」――ではなくて、米映画「サスカッチ・サンセット」が公開中です。有名スターのジェシー・アイゼンバーグらに全身特殊メイクを施し春夏秋冬100%野外ロケ。そんな暴挙を成し遂げた製作・脚本・監督のデビッド&ネイサン・ゼルナー兄弟にインタビューしました。
前々からサスカッチにひかれていたとか。自然の神秘の象徴だから? 人間を相対化する存在だから? 単に面白いから?
「どれもだね。あと、日本は土地ごとに語り継がれる妖怪がいるだろ? アメリカじゃサスカッチくらいしかいないから貴重なんだ。人間じゃないけど人間くささがある。そこも魅力だ」と兄デビッドさん。「過去のサスカッチ映画には不満がある。ホラーとか子供向けで、人間と出会ってどうこうという話ばかり。人間の視点を排し、サスカッチの行動や生態をリアルに純粋に突き詰めたかった」
しかし出てくるのはサスカッチのほかスカンクやアライグマやピューマなどの動物たちで、人間はゼロ。セリフは「オウオウ」とか「ガーッ!!」ばかりで、ナレーションも使わず。それで長編。常軌を逸した企画です。
「まあ普通じゃないよね。だから、読んで面白い脚本にすることに力を注いだ。どういう映画にしたいか分かりやすく伝わるように。ジェシーはとても面白いと言ってくれた」
弟のネイサンさんは「長編を…