サッカーJ1・ヴィッセル神戸の佐々木大樹(だいじゅ)選手(25)が、古里の島根県浜田市で小学生のサッカー大会を創設した。サッカーを通じて15歳まで過ごした地元を元気にし、プロをめざす子どもたちの夢を応援する狙いがある。
創設した大会は「D Dream杯」。大樹選手の頭文字Dにちなんだ。同級生でイベントの運営と企画を手がける本田智也さん(25)らが協力した。
ヴィッセル神戸は昨年と一昨年、リーグ戦で優勝。若手の成長株として期待される佐々木選手は、チームの連覇に大きく貢献した。
昨シーズンを終えた佐々木選手は昨年12月21日、浜田市上府町のサン・ビレッジ浜田を訪れ、初めての「D Dream杯」に立ち会った。浜田、江津両市内の8チーム約100人が8人制でトーナメントを戦い、石見エスプリフットボールクラブ(FC)が初代チャンピオンになった。
佐々木選手もピッチに立ち、子どもたちの前で巧みなドリブルやヘディングシュートを披露した。同FCの4年生吉田一翔(いちと)さん(10)は「力強いヘディングがすごかった」と喜んだ。
佐々木選手も石見エスプリの出身。小学3年生のとき、ボールを蹴る楽しみを知り、クラブに入った。当時も監督だった谷尾幸(みゆき)さん(48)は「転機は5年生のときだったと思う」と振り返る。試合で何もできなかった悔しさから自主的に体幹運動などの工夫を凝らす練習を重ねた佐々木選手の姿を覚えている。「ドリブルやヘディングに磨きがかかった」と話す。
佐々木選手は「『サッカーは楽しむもの』と知ったのは小学生のとき。それを今も忘れていない。大会が子どもたちの夢を追うきっかけになってほしい」とエールを送る。好物は地元特産の赤てんで、「よく食べるし、お土産は浜田の赤てんしか贈らない」という。
佐々木選手と本田さんは「D Dream杯」をずっと続けたいと思っている。「今年は関西チームにも参加を呼びかけ、浜田や県内で開催したい」と話した。