水源の森から流れるせせらぎを見る川﨑雅俊さん=長野県大町市、横関一浩撮影

 森と水の循環を研究する「水文学(すいもんがく)」。「Water Scape(ウォータースケープ)」=兵庫県=社長の川﨑雅俊さん(47)は、その知見を生かし、地下水をくみ上げてつくる飲料水「サントリー天然水」の4番目の水源地「北アルプス」を探し出した。「お客様に直接モノとして研究成果が届き、一番印象に残っています」

 静岡県内の中学時代、「なぜ理科を学ぶのか」を考えさせる生物の先生がいた。授業でセイヨウタンポポと在来種のタンポポの分布と土壌に含まれる水素イオン濃度指数「pH」の関連を調べたことが、研究や環境に興味を持つ一つのきっかけになった。

 高校で「たまたま生物部へ」。水生生物の環境調査で選んだ佐鳴湖(さなるこ)=浜松市=は当時、環境庁(現・環境省)の公共用水域水質測定で日本一、二を争う「汚い湖」だった。「なぜ汚いのか」。手こぎボートで湖に出て、水の循環とそれに伴う水質の変化を調べた。「水」とかかわる始まりだった。

 酸性雨や砂漠化が問題になっ…

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