「スバルがくしゃみをすると、うちは風邪をひく。肺炎になる」と語る正田製作所の中島義行社長=2025年6月23日午後4時31分、群馬県桐生市、織田一撮影

 米トランプ政権の高関税措置に、対米輸出を主力とする日本の自動車産業が揺れている。日本政府は米側に見直しを求めるが、交渉の着地点は見えない。行方を見守る各地の自動車産業の関係者はどう思い、参院選を通じて政治に何を求めるのか。

 自動車大手スバルの二つの主力工場がある群馬県太田市は、4世帯に1世帯の割合で自動車関連で働く人がいるとされる。「スバル町」という町名もあるほどスバルとのつながりが強い。米国での販売台数の5割弱を日本で生産している同社は、トランプ関税の影響が大きいとみられており、スバル城下町は危機感を強めている。

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 太田市内と、本社を置く同県桐生市に工場を持つ自動車部品メーカー「正田製作所」はスバルに直接製品を納入している主要サプライヤーで、売り上げの45%はスバル向けだ。中島義行社長は「いまはスバルからの受注が減ったり、価格引き下げの要請が来たりはしていない」と話す。

 ただ、高関税が続くことを考…

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