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北京中心部に設置された監視カメラ=2025年3月7日、藤原伸雄撮影

 中国でスパイ行為の疑いで拘束されたアステラス製薬社員の60代男性に、拘禁刑3年6カ月の判決が言い渡された。中国政府による「スパイ」取り締まりでは、男性も含めてこれまでに17人の日本人が拘束されている。

 中国政府は2014年、習近平(シーチンピン)政権のもとで「反スパイ法」を制定。「スパイ組織」やその代理人が中国の国家安全に危害を及ぼす活動などを「スパイ行為」と定めた。しかし、「スパイ行為」の定義は具体的とはいえず、「その他の行為」など広い解釈が可能な記述もあった。

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 翌15年5、6月には、日本人4人が北京や上海などで相次いで拘束。17年には温泉開発の調査をしていた6人が一斉に拘束される事件もあり、うち2人は実刑判決を受けた。18年には伊藤忠商事の男性社員も、私的な旅行で訪中したとみられる際に拘束された。

 中国側の招待で北京を訪れた際に拘束され、約2カ月後に解放された北海道大教授の例などもあったが、拘束された計17人のうち、11人に拘禁刑3~15年の判決が言い渡されている。

実際に拘束されて帰国した男性が体験を語ります。記事末尾に、これまでに日本人がスパイ容疑で拘束された事案の一覧表があります。

 拘束されると、どういった取り扱いを受けるのか。

陽光も、時計もない部屋で

 長年、日中友好団体の幹部を…

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