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宮崎地裁に入る西本誠被告(左)=宮崎市旭2丁目

 知人女性に性的暴行をしようとしてけがをさせたとして、不同意性交致傷の罪に問われた、元宮崎市議の「スーパークレイジー君」こと西本誠被告(37)の裁判員裁判の初公判が16日、宮崎地裁(船戸宏之裁判長)であった。西本被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 西本被告は開廷前の午前9時30分に宮崎地裁に到着。黒いスーツ、紺色のネクタイ姿で、待ち構える報道陣に深々と頭を下げたあと、裁判所に入った。

 起訴状によると、西本被告は2023年9月3日未明、宮崎市内で知人の30代女性の腕を引っぱるなどして宮崎市内のホテルに無理やり連れ込み、女性をベッドに押し倒して馬乗りになるなど暴行し、女性が同意しない意思を示すことが困難な状態で性交しようとしたとされる。女性はホテルの部屋から逃げる際に転倒し、右腕や左手に約3週間のけがを負った。

 検察側は冒頭陳述で、女性がホテルの部屋で大声を出すなど最後まで抵抗したと指摘。西本被告が、女性が抵抗できないように両手を押さえつけたなどとして、「強引で執拗(しつよう)、卑劣な犯行」と主張した。西本被告は、ときどき天井をあおぎ、目を閉じながら聴き入っていた。

 弁護側は「事実関係は争わずに、量刑だけを争う」と述べ、西本被告が事件を反省していることや、家族も更生をサポートしている点などを訴えた。また、西本被告が女性に350万円の示談金を払う用意があることを明らかにした。裁判は21日に結審し、判決は24日の予定。

 西本被告は20年の都知事選に立候補(落選)。金髪で特攻服、ラップなどを披露する奇抜さが話題となった。21年の埼玉県戸田市議選で当選。しかし、「市内に居住実態がない」として最高裁で当選無効が確定した。23年4月の宮崎市議選で当選したが、保釈された後の今年2月に辞職した。(石川雅彦)

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