日本銀行の利上げへの姿勢が揺らいでいる。追加利上げを決めた7月31日の金融政策決定会合後の記者会見で、植田和男総裁はさらなる引き上げに前向きな姿勢を示した。だがその後、急激な円高株安が市場を襲った。内田真一副総裁は7日の講演で、今度は慎重な考えを繰り返した。1週間で一変したようにもみえる日銀の真意はどこにあるのか。
日銀は8日、7月31日の決定会合の「主な意見」を公表した。春闘で高水準の賃上げが進み、物価上昇率2%目標を達成する可能性が高まったとの見方が大勢を占めた。7月の利上げを「小幅な利上げを検討してもよい時期」などと、容認する声が相次いだ。一方、消費の低迷を挙げ「賃金上昇の浸透による経済状況の改善を見極める必要がある」と慎重な意見もあった。
さらなる利上げ時期やペースについても、物価や企業業績が好調に動けば「適時かつ段階的に利上げしていく必要がある」などと、後押しする意見が目立った。円安による輸入物価の上昇リスクを挙げ、円安対策としての利上げを求める声もあった。
追加利上げの時期は?
7月会合で公表した「経済・…