人間は常に悩む生き物なのか。ニッポン放送の名物番組「テレフォン人生相談」が今年で60周年を迎えた。様々な難問に応じてきた専門家たちに、悩みの尽きない理由を尋ねた。
「いまから命を絶ちたい」
ある日の相談。男性の暗い声に、切迫感があった。
回答者が境遇を聴くと、家族に問題があり、生活がままならないと話した。思わずもらい泣きをする回答者。男性も泣き崩れた。最後は「いますぐ精神科の主治医(のところ)に行って!」と説得。男性は少し元気を取り戻したようだった。
相談内容が当日までわからないが、回答者は顔の見えない対話を通じて、一緒に解決策を探す。
様々な悩みに答えてきたパーソナリティの早稲田大学名誉教授の加藤諦三さんは、精神科医のフロム・ライヒマンが唱えた「感情的困難」が、現代の悩みだと考えている。
話を深掘りして、苦しみの原因をみつける
現実の問題は、給料が少ない…