Smiley face
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自宅のリビングに妻のデスマスクを飾っている木内正佳さん=2024年6月7日、千葉県酒々井町
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 千葉県酒々井(しすい)町の木内正佳さん(72)は昨年1月、50年近くの人生をともに過ごしてきた妻、妙子さんを大動脈の内側の壁が裂ける「急性大動脈解離」で亡くした。

 リビングで突然倒れ、そのまま帰らぬ人に。享年68。まだまだ一緒に過ごすつもりだった。心の準備がまったくできていなかった。

 20~30歳代の4人の子どもたちも、現実を受け止めきれずにいた。

 「もっと一緒にいたい」。わらにもすがる思いでネットを検索したところ、亡くなった人の顔をかたどったいわゆる「デスマスク」を専門で請け負う職人が千葉にいることを知った。誰にも相談せずに依頼。死から2日後、職人に自宅まで来てもらった。

 冷房のきいた一室で横たわる妙子さん。その顔や手に、職人が肌に負担をかけないようにクリームを塗っていく。顔や手にゲル状のシリコーン樹脂をかぶせ、型取りをしていった。作業を手伝うなかで、思い出がよみがえっていった。

「妻の顔」に再会して…

 大学のアマチュア無線部で知…

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