千葉県酒々井(しすい)町の木内正佳さん(72)は昨年1月、50年近くの人生をともに過ごしてきた妻、妙子さんを大動脈の内側の壁が裂ける「急性大動脈解離」で亡くした。
リビングで突然倒れ、そのまま帰らぬ人に。享年68。まだまだ一緒に過ごすつもりだった。心の準備がまったくできていなかった。
20~30歳代の4人の子どもたちも、現実を受け止めきれずにいた。
「もっと一緒にいたい」。わらにもすがる思いでネットを検索したところ、亡くなった人の顔をかたどったいわゆる「デスマスク」を専門で請け負う職人が千葉にいることを知った。誰にも相談せずに依頼。死から2日後、職人に自宅まで来てもらった。
冷房のきいた一室で横たわる妙子さん。その顔や手に、職人が肌に負担をかけないようにクリームを塗っていく。顔や手にゲル状のシリコーン樹脂をかぶせ、型取りをしていった。作業を手伝うなかで、思い出がよみがえっていった。
「妻の顔」に再会して…
大学のアマチュア無線部で知…