綾羽のグラウンドのそばにあるトイレ。北川陽聖主将らが掃除していた=2025年8月2日午前9時49分、滋賀県栗東市、仲程雄平撮影

(8日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 高知中央4―6綾羽)

 「『トイレの神様』が見てくれている」。綾羽の川端一透(いちと)選手(3年)は、そう信じている。

 選手たちのホームは、滋賀県栗東市にあるグラウンド。練習は掃除をしてから始める。トイレ掃除やごみ拾いなどの担当を、くじ引きで決める。

 滋賀大会を目前に控えた日。川端選手と北川陽聖主将(同)が、トイレ掃除を引き当てた。グラウンドのそばにあるトイレを2人で掃除した。

 すると、どうだ、初戦で川端選手が4打数3安打2打点、北川主将が4打数2安打1打点と活躍。「トイレの神様」を信じた2人は、トイレ掃除を買って出るようになった。

 チームは、4番の山本迅一郎選手(同)が核の強力打線と6投手をもって滋賀大会を初制覇。川端選手は打率4割6分2厘と結果を残し、3番打者として存在感を示した。「トイレの神様のおかげっす」と笑う。

 トイレ掃除を続け、「神様」を味方につけて甲子園の初戦に臨んだ。出塁率の高さも売りで、五回に四球で出塁。山本選手の安打で三塁まで進み、犠飛でチームの甲子園初得点となるホームを踏んだ。

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