記者コラム 「多事奏論」 アメリカ総局長・望月洋嗣
「Make America Great Again(米国を再び偉大に)」と白い字でほどこされた毛糸の帽子に「いまもトランプガール。謝罪しない」と書かれた真っ赤なパーカ。11月半ば、エイミー・トーテンバーグさん(37)は、返り咲きを果たしたトランプ前大統領(78)を全身でたたえるようないでたちで、待ち合わせた中西部ウィスコンシン州のピザ店に現れた。
同州は大統領選の激戦州の一つで、トランプ氏が制した。エイミーさんは、トランプ氏支持の右派の政治活動家、チャーリー・カーク氏が率いる団体「ターニング・ポイント」に参加して一日50軒の有権者宅を巡ったことや、起業家イーロン・マスク氏からの政治資金で現場が活気づいたことなどを聞かせてくれた。
初めて大統領選に投票したのは州立大の学生だった2008年。民主党のオバマ元大統領を支持し、次の選挙でもオバマ氏に投票した。イラクとアフガニスタンの「二つの戦争」を終結させるというオバマ氏の公約に期待したが、実現しなかったばかりか、シリアやリビアにも軍事介入したことに失望。16年の選挙では、オバマ政権で国務長官だったヒラリー・クリントン氏ではなく、トランプ氏を支持した。過去3回、いずれも同氏に票を投じた。
スペイン語通訳のエイミーさ…