日経平均株価がほぼ1年ぶりに最高値を塗り替えた。相場の重しとなっていた「トランプ関税」をめぐる不透明感が薄れ、堅調な企業業績も株価の上昇を支える。ただ、米国経済の先行きに懸念はぬぐえず、市場が過熱していないか警戒感も漂っている。
最高値更新が伝わった12日朝、東京・茅場町にある岩井コスモ証券のコールセンターは顧客からの電話対応に追われていた。例年お盆休みのこの時期は取引が少ないだけに「なぜ株価が上昇しているのか」との問い合わせが多かったという。
米中が関税の一部を停止する期限を延ばすなど対立激化が避けられるとの見方が強まった。顧客の電話を受けていた同証券の池山大介さんは「半導体関連の銘柄が軒並み上昇し、相場全体を引っ張っている」と話した。
日経平均の最高値更新は昨年7月以来。当時は直後の8月に米国経済への先行き不安が高まり、1987年の大暴落「ブラックマンデー」を超える下落幅を記録した。その後はトランプ第2次政権の発足を挟み、円高の影響もあって日経平均は「4万円」の節目を上値に一進一退が続いた。
再び相場が下落したきっかけは、トランプ氏が今年2月に「相互関税」を打ち出したことだ。輸出産業などの業績悪化に対する懸念から4月上旬には3万円近くまで急落。投資家心理が冷え込み、「トランプショック」とも言われた。
「この約半年はトランプ関税…