2024年4月22日、米ニューヨークの刑事裁判所で審理の開始を待つトランプ前大統領=AP

 トランプ前米大統領による元不倫相手への「口止め料」をめぐる事件の審理が22日、ニューヨーク州の裁判所で始まった。陪審員を前にした冒頭陳述では、「選挙不正」を隠すための計画的な犯罪だと主張する検察に対し、弁護側は「トランプ氏は無実だ」と真っ向から反論した。

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 裁判は15日から続いた陪審員の選任が終わり、この日から審理が開始。検察・弁護双方が冒頭陳述を終え、1人目の証人に対する尋問が始まった。公判は週4日のペースで開廷し、約6週間かかると見込まれている。

「計画的な選挙不正だった」と検察は主張

 検察は冒頭陳述で「2016年の選挙でトランプ氏を当選させるために、何か悪いことを言う人々を黙らせようと違法な支出を行う計画的な謀略だった。これは選挙不正だった」と事件の全体像を示した。

 検察の説明によると、トランプ氏は顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏らと共謀し、16年の大統領選中にトランプ氏に関する三つのスキャンダルが公になるのを防ぐために不正に口止め料を支払ったとされる。不都合な情報をもみ消す「キャッチ・アンド・キル」と呼ばれる手法が、この謀略の核心だと検察は訴える。

 口止め料の支払い自体は罪で…

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