(14日、第107回全国高校野球選手権島根大会2回戦 大田10―4益田翔陽)
投手の球が上ずり始めると、ミットをいっぱいに広げ、低い姿勢で球を待ち受ける。構えた所に球が来ると「ナイスボール」と声を張り上げた。
この日、巧みなリードで大田の投手陣を引っ張ったのは、1年生の水間悠貴捕手。内、外と幅広くコースを使って、エースの生越類人投手(3年)、2番手の小原喜壱投手(3年)の持ち味を引き出した。
軟式野球の強豪で知られる大田市立第一中学で捕手を務めた。進学先はいくつか候補があったが、登録選手がわずか11人という困難を克服して、今春の選抜高校野球大会の「21世紀枠」候補に選ばれた地元の大田を選んだ。「少ない人数の中で、一人ひとりが自分の役割を果たして練習している姿を見て決めました」
この日は、打撃でも活躍。三回表1死満塁の好機に、中に入ってきたスライダーを思いっきり振り抜いた。走者一掃の中越え二塁打。大差をつけ、試合の流れを決めた。
「ピッチャー、キャッチャーが流れを作って、チームを勝たせたい」。1年生の夏は、まだまだ続く。