大阪・関西万博のペルーパビリオンで15日、約2千年前に古代ペルー南部沿岸で栄えたナスカ文化に関連する9点の文化財が公開された。世界遺産「ナスカの地上絵」でもモチーフとなっているハチドリや花などが描かれた土器のほか、儀式で用いられた楽器が展示されている。
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ナスカ文化が栄えた台地はとても乾燥しており、水が非常に重要だったことから鉢や瓶(かめ)など、水に関わる遺物が多く出土している。今回公開された9点のうち7点は、水を入れる土器で、雨を象徴するハチドリやクモが描かれている。
ほかには、トウモロコシの芯を持った人物が描かれた陶器のパンパイプ(縦笛)や、ネコ科の動物のひげを表した金の鼻飾りなど、豊作を祈る儀式に使われたとみられる遺物を展示している。
9点はペルーの国指定の文化財で、保管しているリマ美術館の学芸員、イザベル・コヤソスさんは「ナスカ文化を象徴する歴史的にも非常に貴重な文化財だ」と話している。
万博が閉幕する10月13日まで展示する。