明治時代から多くの日本人が移民したハワイには、100年にわたる、英語による歌舞伎上演の歴史がある。今年6月、初の「里帰り」公演が実現した。
農村などで地域の人が歌舞伎を演じる「地芝居(地歌舞伎)」が、江戸時代から盛んな岐阜県の瑞浪市。芝居小屋「相生座」に、英語のセリフが朗々と響いた。
「You say you don’t know me…then lend me an ear(知らざあ言ってきかせやしょう)」
「What an annoying…game this is(いめえましい按摩(あんま)だな)」
舞台に立ったのは、ハワイ大学でアジアの伝統演劇などを学ぶ学生たち。演目は、河竹黙阿弥の名作「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」の「浜松屋見世先の場」だ。
ハワイでの英語による歌舞伎上演には、100年の歴史があります。太平洋戦争という苦難を乗り越え、新たな伝統が根付いた背景には、多くの人の支えがありました。
歌舞伎のセリフ独特の抑揚に…