フランスのマクロン大統領は5日夜のテレビ演説で、ロシアの脅威を念頭に、フランスの核兵器による「核の傘」で欧州全体を防衛するための協議を関係国と始めると表明した。核保有国が同盟国を守る「核の傘」について、欧州は米国の核戦力に頼ってきた。トランプ政権がロシアと同調する姿勢を強めるなか、安全保障面で米国依存の脱却を促す狙いがある。
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マクロン氏は演説で、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり「米国が立場を変えてウクライナへの支援を減らし、疑問を生んでいる」と指摘し、「欧州の未来はワシントンにもモスクワにも決められるべきではない」と述べた。そのうえで、フランスの核戦力の存在でロシアの核攻撃を思いとどまらせる核抑止の考えに立ち、「フランスの核抑止力で欧州の同盟国を防衛する戦略的議論を始めると決めた」と表明した。
欧州では現在、北大西洋条約…