コンブやワカメなど、茶色がかった藻類の仲間「褐藻」がどのように生まれ、進化してきたのか。日仏などの国際プロジェクトが、DNA全体を調べる「全ゲノム解析」によって明らかにした。
褐藻には大型のものも多く、生育する藻場は「海の森林」とも呼ばれる。二酸化炭素(CO2)の吸収源としても期待されており、自然再生や気候変動対策につながる基礎的な情報となる成果だ。
プロジェクトでは、世界の褐藻の主なグループをカバーする16科40種について、全ゲノム解析で類縁関係を探った。すると、約4.5億年前とされる褐藻の誕生後、早い時期から、細菌から一部のDNAを取り込んだり、遺伝子がたまたまコピーされて複数セットを重複したまま保有したりしていたことがわかった。
多くの遺伝子を抱えることで褐藻は、環境の変化への対応などに必要な、多様な機能を備えることができたと考えられた。
体に柔軟性を与え、丈夫でありながら、波にもまれてもゆらゆらと揺れて耐えられるようにする物質や、岩にがっしりくっつくのに役立つ物質などをつくる能力を得ていた。
様々な環境、世界中の海へ
「粘液をつくる」「体を支える」など異なる役割を持つ細胞の種類も増え、異なる体のサイズや構造、生活史の種が生まれていった。
急激に種数を増やしたのは約…