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 放送中の山下智久さん主演のテレビドラマ「ブルーモーメント」は、災害対応チームで奮闘する気象庁の研究官の姿を描く=フジテレビ提供
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 放送中のテレビドラマ「ブルーモーメント」(フジテレビ系)は、政府の災害対応チームの一員として奮闘する気象庁の研究官の姿を描く。登場するのは架空の組織だが、よく似た組織が実際に存在するという。

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 ドラマは、漫画家・小沢かなさんの同名コミックが原作で、山下智久さんが主演する。ハルカンが愛称の、気象庁気象研究所の天才研究者・晴原柑九朗(はるはらかんくろう)が、「SDM」(特別災害対策本部、Special Disaster Management Headquarters)の気象班のリーダーとして災害現場に出動し、気象予測の力で人命救助に挑む。

 「SDM」は各分野のエキスパートが集まった内閣府直属の組織という設定で、気象や消防、医療といった機関の縦割りを排除した災害対応をする。実際の気象庁にも晴原のように災害現場へ向かう部隊がある。それが「JETT(ジェット)」(気象庁防災対応支援チーム、JMA Emergency Task Team)だ。

なぜ現場へ、JETTの利点は

 「想像以上に重責のかかる仕事です」。そう話すのは、下関地方気象台(山口県)の地域防災官・所克博さん(62)。普段は県内の防災訓練の支援などが主な仕事だが、大規模災害が発生するとJETTとして九州各地の現場へ駆けつける。

 60人以上が犠牲となった2020年7月の熊本豪雨では、所さんは第1陣として同僚と2人組で熊本県人吉市の災害対策本部に派遣された。災害が起きた翌早朝から当時所属していた福岡管区気象台を車で出発。土砂崩れによる交通規制、泥まみれの悪路、停電でつかない信号……。神経を使いながら現地へ急ぎ、災対本部が入る役場に到着した。

 現地では、警察や国土交通省の派遣職員と同じ部屋にブースをかまえて作業する。たとえば、消防や自衛隊が川で捜索活動をする際は、JETTが周辺の予想雨量を説明し、国交省が河川の増水リスクを算出し、警察が現地までの交通状況を伝える。

 こうしたやりとりが一つの部屋の中で完結することで、スピード感のある対応が実現する。これが、「現場に出向く大きなメリット」と所さんは言う。

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