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モスクワで2025年7月3日、フォーラムに出席するロシアのプーチン大統領。スプートニク提供=AP

 トランプ米大統領は3日、ロシアのプーチン大統領と電話協議をした。ウクライナでの停戦について「まったく進展がなかった」と不満を示す一方、即時停戦に応じないロシアへの追加制裁にはなお踏み切らず、協議停滞は一段と鮮明になった。

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 トランプ氏は3日、記者団に「まったく進展がなかった」と振り返った。その数時間後には「プーチン大統領との協議に非常に失望した。彼にその気があるようには見えない。彼は戦争を止めようとは考えていないと思う」とも語った。「バイデン(前大統領)の戦争」だと強調し、「彼らの失敗に巻き込まれた」と不満も漏らした。

 ロシア側の発表では、トランプ氏は即時停戦を提案したが、プーチン氏は「当初の目標を達成する」と応じなかった。だが、トランプ氏はロシアへの圧力を強める追加制裁には触れなかった。

 逆に、米国防総省は2日の会見で、ウクライナに提供する予定だった一部兵器の供給を最近、差し止めたことを明らかにしており、ロシアへの「甘い姿勢」が際立つ。

 これに対し、プーチン氏は協議で、米国の4日の独立記念日を祝福。ウクライナ侵攻について、「交渉による解決に努力する」としつつ、「対立の根本的な原因の排除を目指す」と強調した。領土割譲などウクライナ側に事実上の降伏を求める姿勢は変わっていない。

 一方、中東情勢に加え、米ロ…

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