ANAのエアバス機とJALのボーイング機=羽田空港

 日本の航空業界に欧州エアバスが攻勢をかけている。国内航空会社の機体といえば、かつては米ボーイング偏重だったが風向きは一変。最近はライバルのエアバスが急速にシェアを伸ばしている。エアバスとの距離を縮める動きは、飛行機の部材をつくる国内メーカーにも芽生えつつある。

 2年ごとに英国で開かれる航空産業の見本市「ファンボロー国際航空ショー」。開催中の今年7月、エアバスが31機の受注を世界に伝えた。その発注元は日本航空(JAL)だった。

 JALが注文した31機のうち11機は、同社では初採用となる小型機A321neo。ボーイング機の後継として国内線に投じる。残る20機はA350―900で、国際線で就航する計画だ。

 JALがグループ全体(ジェットスター・ジャパンを除く)で使用するジェット機は、ボーイングが154機に対し、エアバスは21機。しかし、メーカーに発注している機材だけをみれば、今回の発注によってエアバスで41機となり、ボーイングの31機を上回る。

 エアバスとの契約に対し、JAL幹部も「エアバス社とのさらなるパートナーシップの深化につながる」と表明。エアバスとの距離を今後も縮めようとの姿勢を示す。JALでは、国際線の顔となるフラッグシップ機としてエアバスA350―1000が1月に就航した。順次ボーイング機から置き換えていく予定だ。

 ANAホールディングス(HD)が使用・発注中のジェット機は両社計322機。このうちエアバスは92機で3割弱を占める。エアバス機では、ウミガメのラッピング(特別塗装)でハワイ線に投入されている大型機A380(計3機)が存在感を示す。

狙うは半々、「通路1本」機がカギ

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