Smiley face
写真・図版
長谷川順一さん。会社敷地内にある彫刻作品「さいたまビジネスマン」の前で。夏は近所の子どもたちが上って遊ぶという=2025年1月23日、岩手県陸前高田市、松尾葉奈撮影

 「どうせ『過疎る』なら、ポジティブに過疎りたい」。そう語るのは、岩手県陸前高田市の建設会社「長谷川建設」社長、長谷川順一さん(44)。「座して死を待ちたくない」と言い、震災後に加速した人口減少に対し、従来とはひと味違う視点から独自の取り組みを進めている。

 「ゴミだよ」

  • 「私は守られた。今度は私が守る」津波で母亡くし、火災と向き合って

 当時5歳だった娘の言葉が忘れられない。2011年の東日本大震災から半年経った頃、家族で大分県にある妻の実家に里帰りしたとき、「陸前高田の街はどんなところなの」と聞かれた時に出た言葉だ。

 震災が起きたのは、家業を継…

共有