記者の質問に答える石原惇翔さん(左)と田淵結翔さん=堺市美原区小平尾の黒山署、杉田基撮影

 夏休みだった7月28日午後のことだ。

 堺市立南八下小学校4年の石原惇翔(あつと)さん(9)と田淵結翔(ゆいと)さん(9)は、同じクラスで普段から仲良し。この日は、友達の家に行こうとしていた。

 近道しようと、堺市東区の公園を通り抜けていた時だった。

 口や鼻から血を流した男性(76)が仰向けに倒れていた。

 「大丈夫ですか」と声をかける2人。

 男性は「大丈夫、大丈夫」。立ち上がろうとして、前のめりに倒れた。

 明らかに大丈夫じゃない――。石原さんは携帯電話で119番通報した。

 男性は「妻がいるので呼んできて欲しい」。公園そばの車にいた男性の妻にも知らせ、一緒に救急車を待った。

 男性は病院に運ばれて1日入院したが、大事には至らなかったと後で聞いた。

 「倒れている人を見たら通報しぃや」。石原さんは両親から言われていたという。

 母親の石原彩花さん(31)は、感慨深そう。「まさか息子が人助けできるなんて。たくましくなってるな」

 大阪府警黒山署は3日、2人に感謝状を贈った。

 署によると、男性は「ありがとうございました。感謝しています」と話しているという。奥高朋署長は「勇気ある行動ありがとう。今後も人から感謝される人間になって下さい」と称えた。

 石原さんが「命を救ったな。大人になったなと思った」と言うと、田淵さんは「そこまではいかんやろ。でも救急車呼んだのはマジすごい」と笑顔で応じた。

 将来の夢は、ともにモデルだという。

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