雪が解け、顔を出したばかりの小麦畑に立つえづらファームのメンバーたち=2024年4月25日午前9時4分、遠軽町白滝北支湧別、鈴木優香撮影
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 札幌からバスに揺られて3時間。雄大な山に囲まれた道東の遠軽町白滝に国内外からボランティアが集まる農家民宿がある。オーナー夫妻は15年前、道外から移住した。2人の行動は過疎化が進む町の光景を変え始めている。

 「お久しぶりです」。白滝にある「えづらファーム」の玄関を1人の男性がくぐった。4月からこの地で暮らす。数カ月後には東京から婚約者も移住する予定だ。

 男性は横浜市からやって来た相川亮太さん(24)。3年前、大学4年生の時にファームでボランティアをして以来、「北海道で就農したい」と考えるようになった。

 農業で生計を立てることに不安もあった。両親からも心配された。それでも、挑戦したのは、ファームを経営する江面夫婦の後押しがある。

 江面暁人さん(45)と陽子さん(43)夫妻が営む「えづらファーム」では、じゃがいもやスイートコーン、砂糖の原料となるビート(テンサイ)などを育てる。畑の総面積は東京ドーム12個分。植え付けや収穫の時期になると、多くのボランティアが農家民宿に泊まりながら、農作業を手伝う。

 もともと、2人も関東で暮らしていた。暁人さんは人材系の会社の営業職。陽子さんは食品と化粧品会社で商品企画に携わっていた。毎日、満員電車に揺られ、終電で帰るのが当たり前。周囲が結婚していく中で、今後の人生に疑問を持ち始めたという。

「外国人が降り立つ光景 夢にも思わなかった」

 家族と過ごす時間を削ること…

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