公共サービス研究者の和田一郎さん

 家族の介護などを過度に担う子どもたちが、「ヤングケアラー」という言葉で広く知られるようになりました。各地で支援が広がる中、公共サービスを研究する和田一郎さんは「『ヤングケアラーからの解放』に向かっているのか?」と問いかけています。どういうことでしょうか。

ヤングケアラーは「させてはいけない」

 ――「ヤングケアラーからの解放」を国の施策にするべきだと訴えていますね。「解放」とはどういうことでしょうか。

 「『ヤングケアラー』という概念は2000年ごろから少しずつ日本社会に広がりました。研究者がイギリスなどの先進事例を紹介し、メディアの報道も増えていった。国も20年代から実態把握を進め、ヤングケアラーの定義や支援対象であることを明記する法改正を実施しました。現在、自治体や民間団体による相談窓口や学習サポート、ヤングケアラーのためのイベントや居場所づくりなどの支援が広がっています」

 「ですが、それらの多くは『…

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