兵庫県たつの市で2006年に小学4年の女児を刺したとして、殺人未遂容疑で7日に逮捕された勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)が逮捕前の県警の任意聴取に「現場にリュックサックを背負って行った」という趣旨の供述をしていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
現場周辺の防犯カメラには事件直後、現場近くから立ち去るリュックサック姿の人物が映っており、県警は勝田容疑者の説明と矛盾はないとみて、さらに確認を進めている。
捜査1課によると、逮捕容疑は06年9月28日午後6時20分ごろ、帰宅中の女児(当時9)の腹や胸などを刃物のようなもので数回刺して殺害しようとし、2カ月の重傷を負わせたというもの。
逮捕後の調べで刺した行為を認めたが、「殺すつもりはなかった」と殺意は否認しているという。
有力な物証や目撃情報が乏しいなか、県警は事件後、現場近くの防犯カメラの映像を公開。映っている人物のリュックサックの特徴をイラストにしたチラシも作成し、情報提供を呼びかけてきた。
県警によると、勝田容疑者は事件当時、現場から40キロほど離れた加古川市内に居住し、警備員の仕事に就いていた。
同僚だった男性によると、事件当日は休みを取っていたという。自動車が趣味で、県警によると日常の移動には自家用車を使っていたという。(宮坂奈津、小田健司)