(19日、第106回全国高校野球選手権大会準々決勝 関東第一2―1東海大相模)
互いに0―0で迎えた七回、東海大相模の198センチ左腕、藤田琉生(3年)は、相手の4番にチェンジアップをとらえられ、本塁打を許した。「1球の大切さを思い知らされました」
4つ上の兄、瑞生さん(21)も大学で投手としてプレーしている。毎年正月にキャッチボールをするのが恒例行事だ。弟の投球を「定点観測」してきた兄は、去年と今年で特に大きな変化を感じたという。「投げると空気を切り裂くような音がしてレベルが違う。来年はキャッチできないかもしれない」。エースの自覚が芽生え、練習の質が上がった結果だった。
この日は九回に降板し、仲間の逆転を信じて必死にベンチから声を張り上げた。しかし、目標の日本一には届かなかった。「この悔しさを絶対に忘れず、糧にしてレベルアップしたい」(手代木慶)