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「大窪シゲキの9ジラジ」DJの大窪シゲキさん=2025年6月22日午後4時34分、広島市中区、興野優平撮影

 選挙で有権者が投票する際、参考にするのがメディアなどにあふれる情報です。ただ、情報は発信者の考え方などによって、見解が全く異なってきます。ラジオDJの大窪シゲキさんに話を聞きました。

 広島の10代に寄り添うラジオ番組「大窪シゲキの9ジラジ」で、20年近くDJを続けています。

 10代で投票権があるのは、18歳からです。ただ、もっと若い人たちもこれから選挙権を持つようになるので、選挙には興味を持ってほしいなと思って、番組でも話すようにしています。

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 いまの時代、SNSにはいろんな情報があふれています。思わず拡散したくなるような投稿も多いと思います。でも、一番危険なのはうのみにしてしまうこと。大切なのは一度立ち止まって考えることなんですよ、と伝えています。漢字の「一」に「止」で「正」しいになりますよね。

 その情報を拡散する前に、SNSだけでなく、テレビ、ラジオ、新聞、いろんな物で見比べた方がいいよ、と言っています。できればクラスの仲間や学校の先生、お父ちゃん、お母ちゃんにも聞いてみてほしい。自分とは違う意見があることを知るのもすごく大切。

 選挙に話を戻すと、一つの視点から投票したいと思っていたとしても、いろんな意見を聞けば、それ以外の政策はどうなんだ、ときっと視野が広がると思うんです。

 選挙に行ったところで、自分の一票だけでは何も変わらない、という声をよく聞きます。一票の重みと言われてもピンと来ないよ、と。

 でも10代のころって、1点の差で赤点を免れたり入試の合否が決まったり、1秒の差で全国大会に行けたり行けなかったり、「1」の重みをめちゃくちゃ感じるんですよね。たった1秒、たった1点で人生が変わることがリアルにある。もしかしたらあなたの一票で今後日本が変わるかもしれないよ、と話すと「じゃあ選挙に行ってみます」と、お便りをもらうこともあります。

 若年層の投票率の低さがよく取りざたされますが、まずは大人が選挙に行くことが大事。結局、一番近くの大人の姿を見て、子どもは育つんです。

大窪シゲキさんのプロフィール

 2007年から広島FMで「9ジラジ」(月~木曜の午後8時)のDJ。朝日新聞ひろしま版で「大窪シゲキの9ジラジ新聞」を連載中。今年、第62回ギャラクシー賞ラジオ部門DJパーソナリティ賞を受賞。

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