9月1日は「防災の日」。自然災害に対し、どんな備えをしていますか? 最近では、災害のために非常食を備えるだけでなく、普段食べている物をもしもの時にも活用し、安心につなげる。そんな考え方が広がっています。
常温「ミートボール」、殺菌方法の工夫で1年保存可能に
ミートボールが主力商品の石井食品(千葉県船橋市)は、常温で保存できる「いつでもミートボール」を昨年発売した。従来品は冷蔵で保存期間は1カ月ほどだが、この商品は常温で約1年保存できる。
常温品は自衛隊からの要望を受け、2016年に開発に着手した。当初、白黒のパッケージで販売していたが昨年、初代ミートボールの発売から50周年に合わせて、一般向け商品としても販売を開始した。
冷蔵品と常温品では、原材料は同じ。卵・乳成分を使わない点も共通している。異なるのは、殺菌方法だ。冷蔵品は加熱殺菌なのに対し、常温品はレトルト殺菌(高圧釜で高温加熱)にし、長期保存できるようにしたという。
つくだ煮の製造販売から始まった同社は、長年培ってきた長期保存技術を生かし、非常食も手がける。
ただ、16年の熊本地震の際、現地に入った社員が、被災者から「『非常食』という言葉を聞きたくない」という声を聞いた。以来、同社では「災害時、一口含んだら日常に戻れるように。非常食という概念を取っ払いたい」との思いで、商品開発に取り組んできたという。
また、消費者の生活様式も変…