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 寒さ増す12月、文化財の修復にも欠かせない伝統の和紙「宇陀(うだ)紙」をつくる奈良県吉野町の「福西和紙本舗」で、手すき作業が盛んだ。水が冷たいほど繊維が均一になり、丈夫でしなやかな紙に仕上がるという。

 原料のコウゾは近くを流れる吉野川の清水にさらし、最長2年寝かせたものを使う。

 煮詰めたあとカシの木で1時間ほどたたく。冷水のなかで簀桁(すけた)をゆらしながらすき、板に広げて庭先へ。あとは、天日と寒気に委ねる。1枚の大きさは、長さ145センチ、幅32センチ。多い日には180枚ほどを仕上げる。

 6代目の福西正行さん(63)は、「使う人に『最高の和紙やな』と言ってもらえるよう、初心を忘れず一点の曇りもない紙をつくりたい」と話す。

【動画】最盛期を迎えた奈良・吉野の伝統和紙作り=白井伸洋撮影

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