川本喜八郎が三国志のために最初に作ったとされる豪傑・呂布(右)と董卓=2025年1月9日、長野県飯田市本町、佐藤仁彦撮影

 1980年代、NHKで放送されたテレビ番組「人形劇 三国志」の人形を作った川本喜八郎(1925~2010)が今月、生誕100年を迎える。生前、川本が館長を務めた「飯田市川本喜八郎人形美術館」(長野県飯田市)で11日、記念イベントがある。

 東京都渋谷区で生まれた川本は、東宝の美術部で映画制作に携わった後、人形美術家となって人形アニメが盛んなチェコに留学。人形を少しずつ動かしてコマ撮りする人形アニメーションでも、世界的な評価を得た。

 中国大陸を群雄が割拠した時代の戦乱を描いた三国志の人形劇では、主人公の劉備玄徳や軍師の諸葛孔明、悪役の曹操、勇将の呂布など、400体もの人形を10年かけて制作。1982~84年に全68話放送され、人気番組となった。93~95年に制作されたNHKの番組「人形歴史スペクタクル 平家物語」の人形も手がけた。

高い技術、豊かな感情表現

 川本が初めて飯田市を訪れた…

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