転勤したくない社員と、転勤してもらわないと困る会社。こうした人事のミスマッチが起こらないよう、社員と会社の間で調整役を担っている労働組合がある。
「(2025年)秋季人事異動に関する要望等(異動希望)」と題されたA4一枚の文書。
3月と9月の人事異動の前に年2回、組合員にこの文書を配り、異動に関する希望や、配慮すべき家庭の事情などを聞き取っているのは、中央労働金庫(中央ろうきん、本店・東京)の労働組合だ。
中央ろうきんは、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、山梨、栃木、群馬の1都7県のろうきんが合併した組織で、従業員は約3100人、うち組合員は2100人を超える。
育児や介護を抱えている組合員への聞き取りでは、保育・介護施設の利用状況や、自宅と施設と勤務先の行き来の経路や時間なども聞き、手厚いフォローを心がけているという。
労組の源波信亮委員長は「合併前からやっていた仕組みだと先輩から聞いています。合併して20年以上、中央でも引き継いでやっています」と経緯を語る。
人事の季節になると年2回、育児や介護中の組合員から届く人事異動の要望書。なかには上司に言いにくい希望も。組合が間に入って調整した具体的なケースを紹介します
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育児や介護などの異動に関す…