岐阜県可児市にあるトキワ幼稚園で、同市子育て支援課に勤務する臨床心理士の鬼頭拡美さん(61)が、年長組の5歳児23人に呼びかけた。
「私たちの体には自分だけの大切な場所、というところがあります。どこだったか覚えてる?」
4人の子どもが手を上げた。「おまた」「おしり」「おくち」と声が上がり、しばらくして「チンチン」と言う子も。鬼頭さんは「おっぱい」も入ることを腕で示しながら、「これらをまとめてなんと言う?」と問いかけた。
- 子どもたちが幸せになるための性教育を 連載第11部にあたって
- 【そもそも解説】性教育の現状とは 日本と世界を比較して分かること
記事の後半では、就学前の子どもたちが自分の体について学ぶ意義を専門家が語っています。
このシリーズの次の回では、絵本などを使った家庭内での性教育を取り上げます。
少し間があり、ひとりの女の子が「プライベートゾーン」。すぐに数人がマネをして繰り返した。
「年中さんのときにも教わったよね」と鬼頭さん。「見せない」「触らせない」「見ない」「触らない」の四つのルールを声を合わせて言うように促すと、「思い出した!」という声が上がった。
鬼頭さんが「人のものをジロジロ見ていい?」と尋ねると、子どもたちは「だめ~!」と大きな声で返事。「お尻触っていい?」「だめ~!」。さらに声を張り上げた。
トキワ幼稚園ではこうした学びは年少、年中、年長それぞれのクラスで年に2回、夏はプールが始まる前に実施する。
体に興味が出てくるのは2歳半から
「1度やってもすぐに忘れる…