軍事転用可能な機器を無許可で輸出したとして社長らが逮捕、起訴され、その後に起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)への警視庁の捜査を巡り、機器が規制対象にあたるかを確かめる実験の際に捜査に不利になるデータを隠し、うその報告書を作った疑いがあるとして、同社側が2日、警視庁公安部の捜査員だった2人を警視庁に虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで刑事告発した。3月25日の刑事告発に続き2回目。
告発状によると、警視庁公安部は2019年5月、同社の「噴霧乾燥機」が輸出規制の対象にあたるかを確かめるため温度測定の実験を実施。3カ所を測定したが、そのうち1カ所の温度が公安部が目標とした数値まで上がらず、記録を除外して虚偽の報告書を作成したとされる。
同社への捜査を巡っては、東京地裁が23年12月、捜査を尽くさずに逮捕・起訴したのは違法などと認定し、都と国に計約1億6千万円の支払いを命じる判決を出した。今年1月、双方が控訴。6月に控訴審第1回口頭弁論が予定されている。(比嘉展玖)