大リーグは5日(日本時間6日)、各地であり、オリオールズの菅野智之は敵地でのロイヤルズ戦に先発し、六回途中5安打1失点で、メジャー初勝利を挙げた。ドジャースの佐々木朗希は敵地でのフィリーズ戦に先発し、五回途中を3安打1失点で勝敗はつかなかった。大谷翔平は「1番・指名打者(DH)」で、カブスの鈴木誠也は「3番・DH」でともに無安打だった。
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佐々木朗希、収穫の68球
ドジャース佐々木朗希の姿が、二回途中でノックアウトされた7日前の登板から一変した。
一回。先頭から連打を浴びて、一、三塁のピンチを招く。だが、動じなかった。「勝負して打たれるのは仕方ない。(4四球を与えた)前回のように崩れることはないように」
得意球のスプリットが、ベース板の上を通過する。強打者の3番ブライス・ハーパーを、この球で空振り三振に仕留めた。内野ゴロの間に先取点を奪われたが、失点はそれだけにとどめた。二~四回はヒットを1本も許さなかった。
復調のきっかけは登板2日前のブルペンだ。「インステップが強かったのを直した」。三塁寄りに接地していた踏み出す左足を、本塁方向に微修正した。狙った通りの球がいく感覚があり、自信を得られた。
チームが2―1と逆転し、1点リードで迎えた五回のマウンドは、見極められての四球、打ち取った当たりが安打になって、無死一、二塁に。初勝利の権利まであとアウト三つに迫っていたが、降板した。それでもロバーツ監督は「朗希はできることをすべてやり遂げた」と褒めた。ストライク率は、初めて6割を超えた。
時差が3時間ある移動、肌寒い気候、敵地ならではの雰囲気にリーグ屈指の強力打線……。言い訳ができそうな要素は、たくさんあった。
それでも佐々木は言う。「メンタル的に不安があっても、自分の信じられる技術があれば関係ない。改めて思った」。大いに収穫のある68球。この調子ならウイニングボールをつかむ日も近そうだ。