自民党総裁選への立候補の意向を表明する高市早苗前経済安保相=2025年9月18日午後1時11分、国会内、岩下毅撮影

 1年前、手が届きかけた自民党総裁の座。高市早苗前経済安全保障担当相(64)=無派閥=は敗北から反省を積み重ね、有力候補として3度目の戦いに挑む。19日午後、国会内で記者会見を開き、総裁選(22日告示、10月4日投開票)への立候補を正式に表明する。

 「必要なのは、暮らしや未来への不安を夢や希望に変える政治、日本が直面するクライシス(危機)を克服するための強い政治、方向性を示す政治、安定した政治だ」。高市氏は18日、国会内でそう訴え、総裁選への立候補を表明した。

 自民が大敗した7月の参院選中、地元の奈良県で「私なりに腹をくくった。自民党の背骨を入れ直す」と支持者らに決意を見せた高市氏。参政党や国民民主党が躍進し、自民の「岩盤支持層」とされた保守層の自民離れが指摘されるなか、保守強硬派の姿勢を貫いてきた高市氏に党内では待望論も高まる。

 奈良県出身。会社員の父と奈良県警勤務の母の家庭で育った。神戸大でアルバイトとドラムをたたく日々を過ごしたが、松下政経塾で学んだことを機に政治を志した。

 1993年に無所属で初当選し、同期に安倍晋三元首相がいた。2006年の第1次安倍政権で、沖縄・北方担当相として初入閣。以来、総務相や党政調会長などを歴任した。

 総裁選の初挑戦は2021年。「高市さんは保守派のスター」と語った安倍氏が後ろ盾になり、国会議員票は2位を獲得。だが、党員票は伸び悩み、結果は3位に沈んだ。

 課題は党員票――。戦略とし…

共有
Exit mobile version