「液晶のシャープ」が事業を大幅縮小し、テレビ向け大型液晶パネルの生産から撤退する。コスト競争力に勝る中国勢などと渡り合えず、毎年続く巨額の赤字に耐えきれなくなった。国内で唯一、大型パネルの生産を続けていた堺工場は稼働から15年で、その役割を終えた。
「市場の変化に迅速に対応を打てなかった。ここが反省すべきところだ」
前年に続き、2024年3月期も液晶パネル事業の不振で巨額の赤字を出すことになったシャープ。14日の会見で経営責任を問われた呉柏勲社長は、そう答えた。
米調査会社のDSCCによると、液晶パネル市場は、コスト競争力を高めた中国メーカーによって、ここ10年ほどで勢力図が変わった。中国では地元政府が工場新設に多額の出資をするなどの振興策をとってきた。
圧倒的な生産能力とコストの差
中国勢は、生産能力で12年…