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非通知の避難訓練で、園舎を飛び出す職員や園児ら=2025年1月、岩手県大槌町、三浦英之撮影

 人生にはいくつもの「分かれ道」がある。

 正しい選択。後悔が残る選択。「あそこでもし違う判断をしていたら」

 そう願っても、選び直すことはできない。だからこそ、彼女は誓った。

 「もう二度と同じ過ちは繰り返さない」と。

 1月16日午前10時15分。岩手県大槌町の「おおつちこども園」(旧・大槌保育園)に、サイレンの音が響き渡った。

 「訓練です。大地震が発生しました!」。次の瞬間、子どもたちは頭を隠して、その場にうずくまった。「怖いっ」と泣き出す園児もいる。

 同園が年6回実施している非通知型の避難訓練だ。昼寝時や退園時など、災害がいつ起きても対応できるよう、実施の日時は幹部を除き、園児や職員にも伝えられない。

 「津波警報が出ました。すぐに避難して!」

 放送と同時に、職員たちは園…

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