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京都産業大のサークル「みつばち同好会 BoooN!!!」のメンバーたち=2024年8月29日午後3時29分、京都市中京区、日比野容子撮影
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 京都産業大学(京都市北区)のキャンパスで採れたはちみつを用いた特製ドリンクが、蜂蜜専門店ミールミィ三条本店(京都市中京区)にお目見えした。30日までの期間限定販売だが、貴重なはちみつを「かけ放題」で味わえるとあって人気を呼んでいる。

 はちみつを採取したのは、2014年に生命科学部の学生が立ち上げた「みつばち同好会 BoooN(ぶーん)!!!」(55人)。キャンパスで数万匹のミツバチを育て、はちみつを学園祭などで提供してきた。コロナ禍で中断していた活動を、今春から本格的に再開。京都市内でも季節の花々から「百花蜜(ひゃっかみつ)」が採れることを知ってもらおうと、ミールミィを運営する金市商店とコラボ。店内のカフェで人気のはちみつドリンク「ハニーオレンジティー」と「ハニーレモンソーダ」に特製トッピングを施し、商品化にこぎ着けた。

 金市商店は1930年の創業。広報部の市川睦美さんによると、元々は和菓子の材料となる小豆などを卸していた。物資不足で砂糖の入手が難しかった戦後まもない頃、和菓子店から「何でもいいから甘味がほしい」と頼まれ、はちみつを商うようになったという。98年には三条通富小路西入に「ミールミィ」をオープン。取り扱うはちみつの生産国の数や種類は国内随一だという。

 「はちみつは値段が高くて、私たちのような若い世代は、なかなか気軽には味わえないんです」。そう話すのは、生命科学部4年の小倉千幸さん(22)だ。高校生の時から、植物とミツバチの研究を続けている。同世代に気軽に楽しんでもらえるドリンクにしたいと、同好会メンバーとミールミィの人たちで企画会議を重ねた。

 ドリンクは、SNS映えする見た目にこだわった。鈴カステラにミツバチのようなデコレーションを施し、ミツバチの巣のハニカムを模したハート形の板チョコを作った。ドリンクに浮かべたミルクソフトには「京産大はちみつ」をたっぷりと。

 小倉さんによると、昨年は4キロほどしか採れなかったはちみつが、今年は20キロ採れた。フルーティーな香りでさっぱりした後味が今年の特徴だという。

 「田んぼが減り、田んぼの肥やしになるレンゲ草もどんどん減っている」と小倉さんは憂(うれ)う。山梨県の種苗会社への就職が決まり、ミツバチとの関係は卒業後も続く。「はちみつってこんなにおいしいんだ、ミツバチが蜜を集められる環境を守っていかなければならないんだ、ということに、ドリンクを味わいながら思いをはせてほしい」

 特製ドリンクは1188円(学生証提示で990円)。問い合わせはミールミィ(075・221・6639)へ。(日比野容子)

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