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グアテマラの農園で。酒井涼旦郎さん(左から2人目)と高橋優月さん(右端)=2024年3月、厚木珈琲提供
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 神奈川県厚木市に店を構える「厚木珈琲(コーヒー)」代表の酒井涼旦郎(りょうたろう)さん(31)が、同じ厚木出身の映像クリエーター、高橋優月(ゆづき)さん(24)と、中米グアテマラで取り組むコーヒー栽培のドキュメンタリー映画を制作している。それぞれの道を歩む2人の背中を押し、結びつけたのは、6年前に18歳で亡くなった酒井さんの弟、泰聖(たいせい)さんだった。

 酒井さんは高校を卒業後、飲料メーカーの工場に就職し、コーヒー豆を機械で焙煎(ばいせん)する仕事をしていた。「実家から近い」という理由で選んだ職場。特にコーヒーに思い入れはなかった。ところがある日、職場の先輩が、品評会で入賞したというコーヒーを飲ませてくれた。その一杯のおいしさに、衝撃を受けた。

 自分で豆を焙煎し、コーヒーインストラクター1級の資格を取るなどのめりこんでいった。「人生で初めてちゃんと勉強したのがコーヒーだったんです」

弟の死が転機に

 弟の泰聖さんを交通事故で亡…

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