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全国知事会長選への出馬を表明した阿部知事=2025年7月29日、長野県庁、志村亮撮影

 長野県の阿部守一知事が29日、全国知事会長選挙への出馬を表明した。知事会長の任期は2年間で、任期中の来年8月に県知事の任期満了を迎える。ただし、次の知事選で5期目をめざすかは「白紙」と明言を避けた。

 知事会長選は、村井嘉浩・現会長(宮城県知事)の任期が9月2日に終わるのに伴い、8月26日の全国知事会議で投票がある予定。村井氏は不出馬を表明済みだ。

「大村知事らが推薦人に」

 立候補の受け付けは8月7日まで。候補者ひとりなら即当選する。立候補には他の知事5人以上の推薦が必要。阿部知事によると、大村秀章・愛知県知事ら中部圏の知事を中心に推薦人確保のめどは立っているという。当選すれば長野県知事として初の知事会長だ。

 阿部知事は29日の会見で立候補について「人口が急速に減少する社会では、これまでと同じ仕組みを同じように続けていては日本の明るい未来が開けてこない」と説明。「全国の知事と一緒に、現場の英知で日本を創り直したい」と意気込んだ。直近の参院選で「ややもすると排外主義的な動きや代替財源が明確に示されないなかでの減税の議論」があったと指摘。危機感を示しながら「国政が非常に不安定な状況でも我が国が直面する課題を先送りすることは許されない」と述べ、知事会が団結する必要性を訴えた。自治省(現総務省)の官僚時代から約40年間、地方自治に携わった実績も強調した。

知事選への態度、明らかにせず

 「長期的なビジョンのもとでの構造改革の議論」を訴える一方、県知事の満期が来夏に来ることを問われると「その指摘は当然あると思った」。そう言いつつ「いま与えられた職務を全うするだけ」と、知事選への態度は明らかにしなかった。「知事の任期は4年。そこを厳密に考えると半数の知事が(知事会長)選挙に出られなくなる。他の知事にもご理解いただけると思う」と見解を述べた。

 阿部氏は東京都出身。東京大法学部を卒業後、旧自治省に入り、長野県の企画局長や副知事、横浜市の副市長などを経て2010年の知事選で初当選した。現在4期目。

 会見の主なやりとりは次の通り。

 ――長野県知事の任期は(2…

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