後輩たちの学びや海外体験を応援しようと、同窓会などが独自の奨学金を給付している都立高校がある。卒業生からの寄付などをもとに、若者を支える取り組みを取材した。
まなviva!(学び場)
幼い子どもから、人生のベテランまで。日々の暮らしの中に、学びは満ちています。「学ぶ」をとりまく最新事情を伝えます。
海外派遣プログラムで「人生変わる位の経験」
「人生が変わるくらいの経験をさせてもらえた。視野が広がり、選択肢も増えた」
高校と大学の時に留学した佐藤曜有(あきなり)さん(25)は、そう振り返る。
利用したのは、主に品川区内の都立高3校(小山台、大崎、八潮)の在校生や卒業した大学生を対象に、海外派遣事業などを手がける公益財団法人「小山台教育財団」の交換交流プログラムだ。
佐藤さんは洋楽をよく聴く家庭で育ち、海外に興味を持つようになった。小山台高1年の時、ドイツで3週間のホームステイを体験した。
最も印象に残っているのは、移民をテーマに、現地の高校生や他国の留学生と泊まり込みで議論したことだ。シリア内戦で欧州に移民が増えていた時期で、「センサーが働かない自分と違って、他国の同年代は自分の意見をしっかりと持ち、質問を重ねていた。驚いた」。
英語を学ぶ姿勢も変わった。意見をしっかり伝えられるようになろうと、恥ずかしがらずに話すことと、正確な発音を心がけた。家族や友人から「顔つきが変わったね」と言われた。
大学3年の時には、同財団か…