11~12月にあった、学力検査を伴う大学入試が波紋を呼んでいる。
東京都内の東洋大や大東文化大が実施を決めると、文部科学省が「ルール違反」と両大学に指導する事態となった。
ところが関西では、「公募推薦」の名で以前から定着している。「今さら違反と言われても」と戸惑いが広がっている。
- 志願数2万人は「想定内」 物議かもす東洋大の新入試、担当部長の狙い
大学入試には「大学入学者選抜実施要項」というルールがある。
高校や大学の団体が参加する大学入学者選抜協議会で合意し、文科省が通知するもので、個別学力検査は「2月1日から3月25日までの間」と明記している。
一方、東洋大は12月1日に新しい学校推薦型選抜「基礎学力テスト型」を実施した。高校長の推薦書を提出して「英語・数学」など2教科のテストを受けるもので、他大学にも併願可能。
取材に対し、年明けの一般選抜以外でも基礎学力を身に付けた学生を確保したかったという狙いとともに、「出題範囲が狭いなど一般選抜の学力試験とは違う」と説明した。
これに対し、文科省大学入試室は取材に、「実施要項に反している。検討のうえ対応を、と大学に伝えた」と話す。
しかし、こうした入試は、関西の私大では最難関とされる大学を除き、広く定着している。
京都産業大(京都市)で11月、公募推薦入試があった。「基礎評価型」は「英語・国語」か「英語・数学」の2教科で学力をみる試験だ。各教科100点ずつの200点満点で、調査書は点数に換算しない。
同大担当者によると、198…