(6月7日、プロ野球 広島東洋カープ5―2埼玉西武ライオンズ)
西武の今井達也は、試合前の時点で10試合に登板して防御率は0.83だった。規定投球回数をクリアした12球団の投手のなかで、ただ一人、防御率が0点台だった。
難攻不落の右腕をどう攻略するか。新井貴浩監督は明かす。「きょうは、思い切って走ることを絡めて仕掛けて行くと伝えていた」
- 守備で得た主力の座 初の侍ジャパンで更なる飛躍を 広島・矢野雅哉
まずは一回。1死から安打の小園海斗が、すかさず二盗を試みた。アウトにはなったが、後続も果敢な姿勢を絶やさない。3番ファビアンが左前に運ぶと、3月30日以来の4番に座ったモンテロが右中間二塁打。ファビアンが一塁から一気に生還して、先制した。
赤松真人外野守備走塁コーチは言う。「そう簡単に連打できる投手ではないから、チームとして隙さえあれば狙っていこうという作戦だった。走塁死は後に響くことも多いけれど、特に一回はあのまま終わらなかったのも良かった」
作戦は徹底していた。三回も小園が仕掛ける。死球で出塁し、ファビアンの安打で二塁へ。三盗を決めると、モンテロの中犠飛で本塁を陥れた。
七回は二盗に成功した矢野雅哉が4点目の本塁を踏み、代走で三塁走者になった大盛穂は小園の捕手前へのゴロに判断よくスタートを切って生還。絶えず足で圧力をかけ続け、2失点が今季最多だった今井から5点を奪った。
「アウトになる、ならないではない。どんどん勇気を持って行ってくれと伝えていた。みんな、ナイストライだった」。会心の勝利に、新井監督の顔もほころんだ。
床田(広) 今季4度目の完封勝利こそ逃したが、「勝てたのでよかったです。いいペースで今年は投げられている」。