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高知県

 病気や出産、育児で教員が休んだ際、代わりの教員が1カ月以上配置されなかった事例が2023年度、高知県内の小中高校、特別支援学校で計115件に上ったことがわかった。教員不足が深刻化している。

 県教職員組合(県教組)の問い合わせに県教委が回答した。

 23年度に1カ月以上の「代替未配置」が生じたのは小学校が60校87件▽中学校が16校22件▽高校が4校4件▽特別支援学校が2校2件だった。

 県教組の統計によると16~22年度の最多は21年度の84件で、過去8年間で最も多かった。

 また、県教組は23年度に代替教員が配置されなかった事例の有無を今年3月、県内の市町村教委にアンケートした。23教委から回答を得て、事例を分析した。

 例えば、休む時期が事前にわかっている産休でも、29件中14件は代替教員がすぐには配置されなかった。配置まで1週間以内が2件、2週間以内が2件、1カ月以内が3件、1カ月以上が4件で、未着任が3件だった。

 代替教員の4分の1は授業だけを担当する時間講師で、「学年主任が学級担任を担い、教頭が免許外で家庭科を担当している」といった回答もあった。

 県教組側は「代替を担う臨時教員を確保するため、自宅待機中も最低賃金程度の給与を保障するといった県独自政策を検討すべきだ」と指摘している。(蜷川大介)

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