中村正芳・岡山県教育長(右)に要望書を提出する笠岡商工会議所の鳴本哲矢会頭=県庁

 岡山県教育委員会が県立笠岡工業高校(笠岡市)を統合再編の対象としたことに対し、笠岡市などの五つの商工団体は7日、同校の存続を求める要望書を中村正芳・県教育長に提出した。「ものづくりを志す若者たちに対し、地域の中に学ぶ環境があることが重要」としている。

 要望書は笠岡と井原、福山(広島県)の3商工会議所と、備中西(矢掛町)と浅口の2商工会の連名。県議会にも9月に請願書を提出している。

 笠岡工は、県内唯一という電気情報科と環境土木科といった実学的な専門科がそろう。要望書は「地域の企業を支える重要な工業系人材育成の要」と強調する。

 続けて、2025年度に同校近くを通る新しい二つの国道の開通や、山陽道のスマートインターチェンジの供用開始といった交通インフラが整備されると指摘。「新たな企業誘致を促進させるもので、更に工業系人材の雇用ニーズが高まる」とし、「地域経済への人材供給と活性化のために」と存続を強く求めている。

 提出後、笠岡商工会議所の鳴本哲矢会頭は「笠岡工は生徒が減る一方で、企業からの求人は非常に増えている。地域産業界の総意として存続を働きかけたい」と話した。(小沢邦男)

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