JR長野駅前で男女3人が襲われ死傷した事件で26日、長野市内の男が殺人未遂容疑で逮捕され、住人らは安堵(あんど)の表情を見せた。事件現場では、命を奪われた男性を悼み手を合わせる姿が見られた。
駅前の献花台には、容疑者が逮捕された26日朝から、亡くなった丸山浩由さん(49)を悼む人たちが次々と訪れた。
中学時代に丸山さんと同級生だったという長野市の会社員、林部一彦さん(50)は、サッカーが得意だった丸山さんをよく覚えている。クラスでもめ事があったときは仲裁役を務め、仲間をまとめあげる存在だったという。「久しぶりに会いに来たよ、と声をかけた。残念でならない。ご家族の方のことを考えると切ない」と声を落とした。
長野駅をよく訪れるという松本市の高校2年、関澤流海(るか)さん(17)は友人と花を手向けた。「身近な場所で事件が起き、怖かった。下校時に気をつけるよう中学生の弟にも通知が届き、不安は広がっていた。少しほっとした」と話した。
近くのビルに勤務する警備員の男性(50)は「事件が起きた22日夜、周囲にいっそう気を配るよう会社から指示があった。襲われる不安があり、常に警棒に手をかけ、ずっと緊張していた。安心した」と振り返った。